今に伝わる文化財をもっと安心して後世に残してゆきたい

そんな思いから生まれた文化財専用保管ケース。

無酸素ケースの環境をさらに進化させ作り上げたケース内は、まるで小さな収蔵庫
歴史を刻んだ服飾品に負担をかけない「こだわりの収納方法」と、
保管しながらも展示品のように観賞できる「見せる保管」を可能にいたしました。

70年培った衣類メンテナンスのノウハウと、
文化学園服飾博物館監修のもとに誕生した最高の保管環境をご紹介いたします。

文化財用保管環境①

お品を守る包み方

デリケートなお品を長期保管する際は、お品同士の圧だけでも刺激となります。
そのため文化財専用保管は薄葉(うすよう)で包む保管を採用。
そうすることで薄葉同士がクッションの役目を果たし、お品をよりやさしく保管することが可能となります。

帯や段差の工夫

帯同士は薄葉で包み込みます

1番シワや跡が残りやすい帯部分を守ります。

帯サイズに合わせてご用意
お品とお品の段差は薄葉でカバーします

薄葉で足りない部分を作るので
サイズの違うお品でも重ねて保管ができます。

折り部分に空気が入りクッションになります。

重ね方の工夫

お品同士の間には薄葉を2枚お入れします

1番シワや跡が残りやすい帯部分を守ります。

折重ねている様子
1番上のお品は薄葉を1枚にします

薄い素材のため、中のお品を確認できます。
※完全に見せる保管の場合は重ね保管はいたしません

薄葉越しに見えるお品

文化財用保管環境②

長期保管用フィルムケース

文化財専用保管のフィルムケースはさらにこだわった製法。
衣類の大敵の1つである静電気を防止し、UVカットも両面に施しました。
そのため、ケース内に入った文化財は場所を選ばず保管が可能。蛍光灯下の保管も怖くありません。

表4層/裏5層 最新複合フィルム

① 酸素透過度が限りなく低い

表4層、裏面5層の特殊フィルムを重ねることで、世界最高水準の抵透過を実現。

酸素透過度 1㎡あたり1日0.1ml以下
② 静電気が発生しない

フィルム内部に帯電防止加工が施されているため、既に繊維が粉のようになっているお品でも安心して収納できます。

③ UVカット加工の徹底

フィルムケース全体にUV加工を施しているので蛍光灯下での保管も可能です。
特にUVで品質が落ちやすい、革や毛皮の商品も安心して保管いただけます。

文化財用保管環境③

文化財専用の酸素吸収剤

文化財と一言にいっても服飾類から金属類など多種多様。
お品の一つ一つに適した空間づくりが必要とされます。
最適な空間を作ることで無酸素環境はもちろん空気中の腐食性ガスも遮断し長期保管が可能となります。
Aタイプ 金属系文化財用

刀剣・貴金属・出土金属器など

酸化防止 ・ 変色防止 ・ 錆,崩壊の進行防止 ・ 吸湿防止
Bタイプ 非金属系文化財用

着物類・蔵書資料・木製装飾品など

酸化防止 ・ 殺虫 ・ カビの殺菌/繁殖防止

保護ケース内部

ご料金表

ケース料金について

文化財専用保管ケース
・・・ 27,000円~
1ケース(最大3品まで)

■商品ラベル付き 
■10年間保証付き

■10年間追加の場合
・・・ 3,500円/10年

【例】30年間保管したい場合
 27,000円+3,500円+3,500=34000円
 ※1年間1,230円 1着に換算したら年間410円

刀剣・扇子・靴などのデリケートな商品には内箱のご使用をおすすめしております。

お品1つ1つの内寸に合わせて作る完全オーダーメイド

内箱 3,000円~
※サイズにより変動

MUSEOケースに入れたお品をより安全に保管したい時には
収納箱の使用をおすすめしております。

カビの生えない樹脂加工・サイズオーダー自由

収納箱 18,000円~
※サイズにより変動

出張のご詳細について

※保管ケース10点以上(お品数約30点)より賜ります。

日本全国の神社、お寺、博物館、施設、ご自宅まで作業に伺います。

各地域の温湿環境で保管された服飾品を確認し現地作業をすることで、
より適切な保管環境をつくることができます。

スケジュール

①事前お打合せ

内容:保管するお品の状態確認と測量
当日日程調整やご案内 等
※ご確認
事前お打合せと当日保管作業までは約1か月の準備期間をいただいております。

②当日保管作業 (約3時間~5時間)

出張費用

交通費

事前お打合せ時(1人分)
当日作業時(2人分)

機材送料費

※当日作業時のみ
※別途お見積り
※お見積り提示は事前お打合せ後のお知らせとなります。

実施例

毫攝寺
福井県越前市 出雲寺派総本山 毫攝寺
平成28年11月10日実施

保存の環境と状態について
福井県は湿度差が少なく、冬でも雪が積もることで湿度が60~70までになる環境でした。
そのため保管状態が非常によい服飾品が数多くありました。
現地の湿度と合わせた湿度でケース環境をつくりました。
機材セッティング時
機材セッティング時
当日作業風景…薄葉包み
当日作業風景…薄葉包み
保管ケース収納 ※カビの生えない樹脂段ボール使用
保管ケース収納
明治・大正時代の文化財
  • ・昭憲皇太后の装束
  • ・内新王の着物
  • ・大正天皇即位式で五節舞を披露した際の装束など。

着物から パラソル、靴、足袋、扇子などの服飾品 総計39品(15ケース)を保管

平成28年11月11日 福井新聞掲載